日本横断夢の縦走パート2 ⑪易老岳~光岳~池口岳
(2011.10.7-10.9 歩行距離 36.2㎞)
10月上旬3連休の天気予報は、珍しく連日の晴れマークである、日本横断も大詰となり、山岳部を歩くのは今回が最後となる、あとは最終回に浜松~御前崎間60kmを残すだけである。
 易老渡~易老岳~光岳~加加森山~池口岳~池口岳登山口(国道152)と南アルプス最南部の山歩きを楽しむ。
参加メンバー

隊長の坪井
一寸待っての坂本
ジャンボ高橋
テント師範の左光
最年少の鶴飼
いぶし銀の関
2011年の長島
スーパー爺ちゃん十倉
(以上8名、敬称略


10月7日       新横浜駅~平岡駅(飯田線)

 新横浜16;16発こだま669号に3人、小田原で3人、豊橋で1人、平岡に先着1人と夫々の乗車となる。
 豊橋駅の乗換口でジャンボが駅員と何やら揉めている、新横浜~豊橋間の特急券と平岡までの乗車券を紛失したらしい、 ムー・・・・・
本来なら文句なしに再購入なのであろうが、ジャンボは領収書を持っていたのを盾に粘る、乗換え時間が迫っているので、とりあえず飯田線の車掌に言って欲しいとの事、攻防は飯田線車内に持ち越される、他の者は席でリラックスしているが、ジャンボは飯田線の車掌と最初から交渉のし直しである、車掌は「領収書は乗車券とは違う物なので・・・・・」等と言う、ジャンボは「乗車券を購入したからこその領収書だ」としぶとく食い下がる、車掌は何処かと連絡をとるらしく何度か行き来をし、遂にジャンボの粘り勝となり乗車券は持っていたと見なされる。
 20:14平岡着、岡谷周りで一足早く着いていた鶴飼が出迎える。
 さて本日の宿である、予定ではステイションホテルとなっており、待合室にでも泊まる積りであったが、天井に防犯カメラがセットされておりどうも落ち着かない、駅の周辺を一回りすると広い駐車場にバイクが1台、車が1台ポツンとあるだけである、遠慮なく有効利用させてもらいテントを張る、明朝3時起床、4時出発を確認してさっさと寝る。

 夜中に車が1台入って来た、女性らしくヒールの足音がした等と言う者もいたが、隊長の坪井は全く気付かず寝ていた。









10月8日      北又渡~易老岳~光岳
            行動   8時間55分(歩行距離 15.2㎞)
            朝食   ビーフン入りスープ、餅
            夕食   せんべい汁、ひじき御飯、他

 2:45少し早いがゴソゴソ起き出す、朝食、片付け、パッキング、テント撤収、トイレ使用と何時もの事ながらテキパキと動く、4:00に予約していたジャンボタクシーが3:30に来てしまう、まあいいか、十倉がトイレから出て来るのを待ち3:40の出発となる、本来なら易老渡まで行きたいのであるが、先の台風の影響で途中で通行止めなのである、4:40北又渡に着く、ここから5kmは徒歩である、各自ヘッドランプを出す、
長島のヘッドランプが物凄く明るい、少し重いのであるが10m先まで十分に見える、前回まで暗いヘッドランプに苦労していた長島はワークマンショップで買ったと言う、先頭の隊長は2番手に長島を配し足元を照らしてもらって出発である。
 通行止めの表示を超えると直ぐ、道は数mに渡り谷側に大きく崩落している、山側に残る50cm位の巾の道を慎重に進む、危険箇所はここだけで後はひたすらヘッドランプに照らされる道を歩く、6:05易老渡に着く、前回(日本横断⑩北沢峠~三伏峠)三伏峠から下りてきた場所である、ストレッチの後、隊長の坪井は「今回は精鋭の1期生から十倉さんが参加しますが、先輩の前で見苦しい事の無い様に」等と言っている。


 細い橋をと渡るといきなり急登である、笛の様な鹿の鳴き声がする、休憩時に坪井はブルーベリージャムを出し、左光の用意したクラッカーに載せて出す、  ウー・・・ン 
美味い!  前回に三峰岳~熊ノ平小屋の中間にて皆で採ったブルーベリーに、参謀の三枝子さんが針ノ木で採ってきた分を加えて手造りしたのである。
 休憩を終えて歩き出すと直ぐに、関がズボンの尻ポケットに容れておいた財布が無いと言う、 ム・ムー・・・・・  出発前に注意したばかりなのに早速見苦しい事となる、
関、長島、ジャンボの3人で先程の休憩場所まで戻り探すも無い、ジャンボタクシーの中に落としたかも知れないので、もう少し下りてから電話して見ると言う、3人はザッグを置いて来た道を戻る、残る5人はゆっくり易老岳を目指す、急登が続く、岩場をトラバースして易老岳山頂で休憩していると3人が戻って来る、携帯電話のアンテナが立たなかったと、言う、 ムー・・・・・  試みに左光がやって見ると繋がる、訳を話し車内を探して欲しい旨を伝え、5分後に再度電話すると「在りました!」との返事であった、財布には現金、帰りのキップ、カード類が入っていたので関は大喜びである、後で皆にビールを奢る等と言っている。
                        静高平に水場がある、冷たくて美味しい、光岳小屋に来るテント泊者は此処で水を汲んで来て欲しい旨の表示がある、又光岳小屋の水場は往復15分掛かる事から此処で1人1・5~2ℓの水を背負う。


 少し行くと前方に光岳小屋の屋根が見える、左手にはイザルヶ岳(2540m)の坊主頭だ、此処で希望者はイザルヶ岳をピストン、隊長等は光岳小屋へ向う。
 登り坂を進むと程なく小屋である、木造2階建ての小屋は広く綺麗で、窓からの眺めも良い、9月末からは営業しておらず避難小屋として利用出来る、2階の一角にザックを下しお湯を沸かす、坪井は杏仁豆腐を作りデザート用に冷やしておく積りである、300ccの熱湯に杏仁豆腐の素を入れ良く撹拌する、更に牛乳200ccを加え混ぜる、これでお終い、後は冷やすだけ(家庭では冷蔵庫で2~3時間程)、ゴミ付かない様にビニールの袋に入れ外に置いて冷やす。
 イザルヶ岳組が到着する、まだ2時前である夕食には早い、お待ちかねのティータイムだ、コーヒー、アルコール等思い思いの飲み物でくつろぐ、この後食当の左光が大奮闘だ







*ミニ芋餅 ジャガイモを潰して作った芋餅をガーリックバターで焼く、100
円ショップで買った片手鍋に、アルミクッキングシートを敷いて焼
くと焦げ付かないのだと左光は得意げに話す、何度か焼く内に焦げ出す、
ムー・・・・・  アルミの裏表を間違ったらしい。
*焼チーズ ひょうたんの様な形のカチョカバロチーズを切って焼き、クラッカーに載せ
ミニトマトを添える、洒落た感じで美味しい。
*イワシの干物 軽く炙ると酒のツマミにぴったり。
*せんべい汁 B級グルメで何度も準優勝、鶏肉、ゴボウ、白菜、ネギ、シメジ、油揚げ、特製せんべいを醤油仕立ての鍋で、翌朝は雑炊。
*パウンドケーキ オレンジの皮を混ぜ込んで焼いたもの、食後に出される、左の
お得意、明日誕生日の鶴飼のためローソクも用意、ハピーバー


 御飯は8人分を一緒に炊く事にする、日本横断最後の飯炊きである、希望者は誰もいない、責任は重大であるし、最後に失敗するのは嫌なのであろう(山行記に書かれる)、やむなく坪井が飯炊きをする、指の第一関節で水加減をして暫く置く、ガスに点火、最初は弱火で次いで少し強め、沸騰して来たら火を弱め3分、火を止め10分、再度点火し中火で3分、但しこの時は必ずしも3分に拘らず、少し焦げの臭いがしてから火を止め10分蒸らす、今回は更に左光の用意したヒジキを混ぜ込み蒸らす、満点の出来である。

 坪井は外に出て杏仁豆腐の出来具合を見る、外はかなり寒いので十分固まっている、これを8等分して上にブルーベリージャムを載せて出す、これも鶴飼の誕生祝に用意したものである、白い杏仁豆腐上に紫のブルーベリージャムは配色も良く、非常に美味しかった。
 
かくして2時前に始まったティータイム、及び晩餐会は5時に終了、片付けて明朝4:00起床、5:00出発を確認して、5時30分就寝する。

【北又渡4:40 易老渡6:04 易老岳10:35 光小屋13:34】


 
10月9日      光岳小屋~加加森山~池口岳
            行動   10時間35分(歩行距離 21.0㎞)
            朝食   雑炊、漬物

 4:00起床、満天の星空である、オリオン座が今日の晴天を約束してくれる。
皆はシュラフを仕舞う等自分の支度に忙しい、と左光は自分の支度を後回しにしてガスを点火、昨夜のせんべい汁に御飯を入れ雑炊を作り始める、 ムー・・・・・・
 続いて坪井もガスを点火、お湯を沸かす、昨夜は前菜が多かったので御飯は7割方残っている、これをせんべい汁の残りに入れた雑炊は出汁が効いて美味い。
 5:05ヘッドランプを点けて歩き出す、20分程で日本アルプス最南端の100名山である光岳(2591m)である、ここからは上級者向きの破線コースである、隊長が先頭、GPSを持ったジャンボが2番手だ、踏み跡はあるものの鮮明ではない、藪も多い、色あせたテープを全員で探しながら進む、獣道と交錯するとどっちが本道か迷う、ジャンボが後ろからGPSを見て指示を出す、足跡の付いたぬた場が幾つも見られ、大型の獣が多い事を伺わせる。




 2381mのピーク山頂を回り込む、ここから1時間程で加加森山に着く、この先池口岳へのルートは破線ですら無い、完全なバリエーションルートである、側の立ち木には熊が縄張りを示す為というテリトリーサインがはっきりと刻まれている、 ムー・・・・・
 隊長は「この先は相当な藪が予想され難路である、十分注意する様に」等と言う。
慎重に歩き始める、ところが藪など全然ない、良く踏まれて歩き易い道が続くのである、ムー・・・・・  1時間40分程で池口岳直下のジャンクションに着く、此処にザックを置いて池口岳を目指す、急登であるが空身なので楽だ、15分程で山頂である、南アルプス最南端だ、この先にもう山は無い、 終わったのである・・・・・・・・



急な道が続く下山路を降りる、途中でタクシー会社へ連絡し、152号線大島バス停への到着が少し遅れる事を伝える、樹林帯の道をひたすら降る、やっと池口岳登山口に着く、大きな案内板があり、図を見た感じでは大島バス停まで20~30分位かと思われる、ところが此処からが長い、65分も掛かってやっとバス停に着く、待っていたジャンボタクシーへ乗り込む、隊長は「もう歩かないぞー」等と言っている、平岡駅ビル4Fの銭湯 龍泉の湯(で300円)で汗を流す、この後坂本は水窪(みさくぼ)まで電車で行き、明日から浜松駅まで歩くのだと言う(日本横断⑦平岡~浜松を長期出張のため不参加)

 17:15発のワイドビューに乗り込む、関が皆に缶ビールを配っている、5800円の清算をして解散となる。

【光小屋5:03 光岳5:24 加加森山8:20 ジャンクション10:03 池口岳10:20 ザラナギ平12:10 登山口14:30 大島バス停15:41】