2013年12月28日〜29日
分水嶺44 善知鳥峠〜牛首峠
本州中心の分水嶺を動物の足跡を辿り踏破

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今回のルートは、本州中心部に位置する分水嶺で、登山口の近くには、分水嶺公園がある。
最初の計画では、HoRがCLであったが、都合によりYbTが代理を務めることになった。

  メンバー:YbT(CL)、TuB(SL)、TkZ、YmT、YmS、TnB、FnT、ImR、MkM、YoK

28日:みどり湖駅…善知鳥峠(分水嶺公園)…大芝山(1210)…滝嵐(たきあらし)の峰…霧訪山(1305)
29日:霧訪山下の鞍部…P1277m…P1244m…P1284m…P1298m(三角点)…P1262m…P1338m
   …牛首峠への分岐…牛首峠…山口
2013年12月28日 土曜日 晴

八王子〜みどり湖駅
 07:29八王子発のスーパーあずさ1号は、帰省のピーク日なので混雑を予想していたが、自由席に空席が十分にあった。登山客が多い時期は、空席が無く立って行くこともあるが、帰省客は、もう少し時間が遅い列車を利用する人が多いようだ。 岡谷で各駅停車に乗り換えて、09:43にみどり湖駅に着いた。

みどり湖駅〜善知鳥峠 
 
今回の登山口は、多くの自動車が行き来する国道153号(三州街道)上の善知鳥(うとう)峠にある。みどり湖駅からは、徒歩約40分である。この峠は本州の中心に位置し、中央アルプスの北端になる。登山口の近くには分水嶺公園があり、「分水嶺」と書いた大きな赤い看板がある。幹線道路上の分水嶺の峠ならではの光景である。
善知鳥峠入口 善知鳥峠出発     
                     
善知鳥峠登山口   善知鳥峠出発
善知鳥峠〜霧訪山
 今日の目的地の霧訪山へは、小野部落からの直登コースがあり、夏は、登山者も多いそうだ。さすがにこの時期の登山者は皆無で、我々以外のパーティの登山者は無かった。 登山口で、ストレッチを済ませて、しばらく登ると、送電線の大きな鉄塔が現れた。
 尾根の雪道に出ると、うさぎの足跡が現れた。人里に近い山であるが、動物が多く棲息している、豊かな森であることをうかがわせる。しばらくは展望は無く、時折林間から塩尻方面の市街が見える程度でああった。 「分水嶺登山道」と書いた立派な標識が設置されていて、地元の行政が、「分水嶺」を観光資源としているようにうかがえる。昭文社の地図にはこのような登山道は記載されていない。
 滝嵐(たきあらし)の峰まで来ると、北西の展望が開けて、北アルプスの白い山並みが見えた。大芝山付近では、林が開けて、明るい日差しが差し込むと暖かい。 

 本日のゴールの霧訪山には、14:00について、しばらくの間360度の素晴らしい景色を堪能した。 東には、八ヶ岳の山並み、北側には北アルプスが展望できる。山頂は広くはないが、立派な山名盤が設置してあった。
 
滝嵐の峰 霧訪山 
滝嵐の峰 霧訪山

 記念写真を撮った後に、今日のテント場を探すことにした。山頂は、テントを張るには狭いし、夜中に風が吹くと飛ばされる危険性がある。尾根沿いの急斜面を下って行って、水平の場所に出るが、テントを3張りするには狭すぎる。鞍部にスペースを見つけたが、余裕を持って張ることはできなくて、隣のテントとくっついてしまうくらいになった。
  未だ15:00前なので明るい。5月の残雪期であれば、外で雪で作ったテーブルを囲むことができるが、日没が早い時期なので、テントの設営後は、テント毎に乾杯。今夜の料理は各テントで違うようだ、すき焼き、ポトフ、すいとん、と体が温まる。食当に感謝しながら美味しく食べる。
  暗くなって、テントの外に出ると、尾根の両側に街の明かりが見え、星が冬空に輝いていた。

2013年12月29日 日曜日 晴
 
4:30に起床し、5:30にテントの撤収を開始した。未だ真っ暗闇の中であるが、メンバーは手馴れていて、テキパキと撤収は済んだ。ヘッドランプの明かりの中、ストレッチを行い、アイゼンを付けて出発した。分岐点では、慎重に地図読みをし、ルートを確認しながら行く。 

 しばらく歩くと、左後方の山並みから、朝日が登り初めて、メンバーの歓声が上がる。北アルプスの山並みは、ピンクと白銀のグラデーションで染まった、モルゲンロートが美しい。 木の枝に着いていた雪が風に吹かれて舞い降りてくると、ダイヤモンドダストとなり、キラキラと輝いた。山の朝は、変化に富んでいる。このような、楽しい経験ができるのも、山に泊まった人の特権であろう。

 昨日に続いて、獣の足跡を辿る。足跡は途切れることはないが、その姿は全く見えない。兎の足跡以外に、種類の分からない動物の足跡が無数にある。日当たりが良い所にくると、雪を掘り返した跡が見られた。このようなことをするのは、猪の類であろうか?
 足跡は、尾根沿いに私たちを先導するように、続いている。この足跡が、人が歩いた踏み跡のように見えるときもあるので不思議だ。明らかに、丹沢で見かける鹿の足跡では無い。
 
 ヤマレコにある、山行記では、以下のような動物を目撃した記事がある。きっと、このような動物であろうと推測する。こちらが一人であれば、動物も逃げないが10人の賑やかな団体なので、姿を現さなかったのだと推測する。
---<ヤマレコ山行記抜粋>------------------------------------------------------
 ライフワークである大分水嶺の踏査として、信州の牛首峠〜楡沢山を歩いてきました。
 : <省略>
楡沢山の手前にて、野生の獣さんに出会いました。しばらく睨めっこしていましたが、最後は、
どいてくれました。鹿のたぐいは良く出会いますし、たまには熊にも会いますが、今回のは、
どうもヘンテコでした。耳は熊、鼻は猪、胴はパンダ、足先はカモシカ、って感じだったのです。
… 目分量の体重は250kgはありそうでした。
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雪の綿毛 雪の登山道
      雪の花が咲いたようだ  雪道を快調に登る

 水筒に入れた水が凍っているのを、テルモスのお湯で溶かして飲んだ。テルモスを忘れた人がいたが、冬山では必携品であることを、改めて学んだ。
 稜線をあるいていると、雪に埋もれた、石仏群と祠が現れた。山を鎮めて、災害防止を祈る為に置かれたものと思われた。ここからは、稜線がはっきりしないが、獣の足跡は相変わらず、続いていた。

  塩尻市側は、赤松・唐松の造成林で、茸の栽培がおこなわれているので、入域禁止を示すビニールテープが張られていたので、そのビニールテープ沿いに歩いてきた。
牛首峠への分岐とその下山道の様子が事前に把握できていなくて、どのようになっているのか不安があったが、分岐点は大きな木にピンクテープが2つ巻きつけてあって、明確な分岐点であった。さらに、下山ルートには、新しいピンクのテープが多数設置してあって、まるで花で飾られた道を降りるようであった。明らかに、今回のルートの途中にあった、古びたテープとは違っていたので、誰かが、我々の山行のことを知って、親切心で取り付けてくれたように感じた。
  

   
牛首峠下降 牛首峠
最後の急斜面で、最後まで気が抜けない                   牛首峠到着

 牛首峠からは、一般道を山口集落まで行き、積雪時通行止めの表示の前で、タクシーを待つことにした。
途中、ルートファインディングを間違った箇所もあったが、すぐにリカバリができて、大きなトラブルにはならなかった。2013年の最後の山行を、無事に楽しく終えることができたことを、感謝したい。
 


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