昨年から清掃と登山道整備へと転換した、みろく山の会の大きな活動の一つである第25回清掃・登山道整備が関係者のご支援と協力を頂いて2007421日(土)に当日参加211(非会員6人、同月7日リーダー研修(20)及び14日準備山行(15)を加えた延参加246人により実施されました。
 前日まで天候が不順で当日の空模様が心配されましたが、この活動を後押しするかのように夏の日差しを感じさせる好天に恵まれ、新緑が眩しい丹沢で清掃4コース・水切りコース・ウッドチップ
2コースにそれぞれ分かれて活動を行いました。


水切り設置


 清掃コースは昨年3コースでしたが、今年は戸川林道コースを新たに加え4コースに増やしました。山へゴミを持ち込まない、汚さないが登山者の最低のマナーです。清掃活動が自然保護の原点でもあり、この活動は会の設立以後毎年継続して行われてます。今年の参加者は118名で、収集したゴミの総量671kgにもなり、秦野市へ処分を依頼し引き渡しました。そしてゴミの多くが林道周辺に集中していた点は今後の活動で検討していく課題でもあります。



たくさんのごみ収集 山岳センター脇でごみ計量


 登山道整備は水切り4コースとウッドチップ2コースで行いました。水切りは既に昨年までに18箇所大倉尾根に設置し、雨による登山道からの土砂流失を防ぐ役割を果たしています。今回は駒止め茶屋付近まで範囲を広げ4箇所の新規設置と1箇所の延長作業を51名の参加者で行いました。既設水切りは設置場所により浮き沈みなどが発生しますので、今年も数箇所で手直し等を行いました。また今年から段差解消としてステップ設置を加えました。段差が大きくなるとどうしても迂回コースなどが出来易くなり、登山道の拡大になる原因となります。角材を4本束にしたステップを数ヶ所設置し上り下りをし易くしました。

水切り補修 段差解消

登山道を広げるもう一つの要因である泥濘防止として昨年はじめてウッドチップの撒布を行いましたが、約半年の間にその大半が風雨で流失してしましました。その対策としてチップを入れた土嚢袋や傾斜のある登山道では角材をチップ止めとし、土のう袋でカバーして散逸を抑えるなどの改良を今年の冬に試しました。
 その効果を確認した方式で堀山付近の登山道において42名の参加者でウッドチップの布設を行いました。

ウッドチップ隊現場へ 狭い登山道での作業

午後330分 大倉ビジターセンター前で報告集会が行われました。理事長からはこの清掃・登山道整備の重要性が説明され、来賓の神奈川県緑生課松田課長から丹沢の自然再生への取り組みに高い評価のご祝辞を頂きました。

2007(平成19)年4月21日


「あとがき」

 ゴミ持ち帰りのマナーが定着して中高年登山者が日帰りで清掃活動をできる登山道にはゴミが少なくなり、やむを得ず昨年に続いて本年も林道周辺を主な清掃の対象としました。
 下に示す写真のように冷蔵庫などの家電をはじめとする家庭ゴミと建築廃材などの事業ゴミが車で容易に入れる林道に捨てられています。これはゴミの処分に費用と手間がかかるために生じた悪意のある行為であり、このまま放置する事は許されません。この2年間にほぼ同じ林道周辺から約800kgのゴミを収集しましたが、今年もゴミが減らず、むしろ増えている実状を行政に伝えるしかありません。
 私たちは登山活動によって生じた多くの現象の中から会として自然の保護および再生へとつながる活動を行っていくべきではないでしょうか。